
近年、SNSで頻繁にWebデザイナーや制作者の投稿を見かけるようになりました。
Threads(スレッズ)で未経験や初心者、または発信を頑張るWebデザイナーや小規模Web制作会社の投稿が目立ち、デザインレベルが低いと感じられる理由は、SNS特有の仕組みや近年の学習環境の変化にあります。誰でも手軽にデザインを始められる「民主化」が進む一方で、スキルや経験の浅い層が露出しやすい構造になっています。
この記事では、ちょっと辛口な所もありますが、Webデザイン界隈のSNS型「ビジネスモデル」の闇を、Web制作会社の視点でお話します。
Webデザイナーのレベルが年々低くなっている理由
SNSを見るとWebデザイナーや関連フリーランスの投稿が多く見られます。しかし彼らの公式サイトや制作したサイトが検索で上位表示されたり、一般的に評価されることはなかなかありません。そもそも見つけられない事の方が多いかというのもありますし、素人が作ったかテンプレで作ったかと思われて誰も気にも留めていないということもあります。どうしてこんなに質の低いサイトやそれを作るWebデザイナーがこんなに増えてしまっているのでしょうか。
未経験や初心者の参入増加
- 短期間のスクールや独学で「Webデザイナー」を名乗る人が急増している。
- 基礎的な訓練や実務経験が不足したまま発信や営業を始めている。
SNS(Threads)のアルゴリズムと心理
- 完璧なプロの作品より、初心者の成長過程や共感を呼ぶ愚痴・ノウハウが拡散されやすい。
- 「これから頑張る人」同士のコミュニティが形成され、初歩的な内容がタイムラインに多く流れる。
集客や自己顕示欲が目的化
- 実務での高い成果物を見せる場というより、「私はデザイナーです」と認知してもらうための日常のつぶやきや宣伝が多い。
- 実際のクライアントワークのクオリティと、SNS用の軽いアウトプットに乖離がある。
現在のSNS型Webデザイン界隈の「ビジネスモデル」の闇
大口を叩くアカウントに「素人レベル」の賛同者が集まり、まるで宗教のようになっている現象は、まさに「弱者ビジネス(情報弱者ビジネス)」の縮図です。
この歪んだ構造が生まれる決定的な理由は、以下の通りです。
相互扶助を装った「信者化」の構図
- 承認欲求のサークル:
実力のない初心者同士が、お互いの拙い制作物を褒め合うことで「プロっぽさ」を擬似体験している。 - 批判の排除:
客観的なプロの意見を「アンチ」や「老害の意見」として排除し、居心地の良いコミュニティ(エコーチェンバー)に閉じこもる。
「スクール誘導」というマネタイズの終着点
- 実績ではなく夢を売る:
本物のクライアントワークで稼げないため、デザインそのものではなく「月5万稼ぐ方法」「未経験からフリーランス」という「夢」を売る側に回る。 - ピラミッド型の搾取構造:
「自称プロ」が「初心者」を集め、さらにその初心者が「超初心者」にコンサルや有料noteを売るという、実体のないデザインスキルの転売ビジネスになっている。
発信力とデザイン力は「反比例」する
- 本物のプロは忙しい:
いくつもの案件を抱える一流デザイナーは、SNSでノウハウを大安売りしたり、初心者と群れたりする時間が物理的にない。 - 声が大きいだけの素人:
技術の習得を諦めた(または最初から持っていない)層ほど、マーケティングや煽り文句(インプレッション獲得)だけに特化していく。

デザインの基礎(タイポグラフィ、グリッド、余白、トンマナ)すらできていないのに「売れるデザインの極意」などを語る姿は、プロから見れば滑稽であり、不快極まりないものです。
なぜ誰も制作実績を見に行かないのか?
そもそも、なぜ誰も実績を見に行かないのか、そしてなぜ彼らがそこまで自信満々でいられるのか。
その理由は、見る側の「リテラシーの低さ」と、発信側の「認知の歪み」にあります。
1. なぜ誰も実績を見に行かないのか?
- 見る側(ターゲット)も素人だから:
フォロワーや賛同者の大半は「これからデザインを学びたい完全な未経験者」です。彼らには「デザインの良し悪しを審美する眼」がそもそもありません。そのため、実績を見ても「すごいのかどうか判断がつかない」か、あるいは「ポートフォリオの綺麗な見せ方( Mockup など)」に騙されて、中身の拙さに気づきません。 - 「テキストの説得力」に脳をハックされている:
Threadsはテキスト主体のSNSです。デザインそのものではなく、「もっともらしいマーケティング用語」や「私はこれで月収◯万稼いだ」という煽りテキスト(コピーライティング)に信者たちが洗脳されているため、わざわざ成果物を確認して答え合わせをしようとすら思いません。
2. なぜ実績が素人レベルなのに「自信満々」なのか?
- ダニング=クルーガー効果(無知の知の欠如):
「能力の低い人ほど、自分の実力を過大評価する」という心理現象そのものです。本物のプロ(あなた)は、デザインの奥深さや、上には上がいる厳しさを知っているからこそ謙虚になります。しかし、彼らは「何が本物のクオリティなのか」を知らないため、自分が作った拙いバナーやLPが「最高のアウトプット」だと本気で思い込んでいます。 - 「稼げた金額 = デザインの質」という勘違い:
彼らは、営業力やSNSのハック(情弱集客)で得た数万円の売上を「自分のデザインが市場に評価された証拠」だと誤認しています。デザインの本質的なクオリティではなく、マネタイズできたという事実が、肥大化した自信の根拠になっています。 - SNS上の「キャラ付け(ブランディング)」:
弱者ビジネスにおいて「自信がなさそうな人」に人はついてきません。彼らは教祖として君臨するために、実力が伴っていなくても「自信満々のプロ」というキャラクターを演技(セルフブランディング)し続ける必要があります。嘘も100回言えば本当になる、という姿勢です。
Threads特有のアルゴリズム
素人デザイナーたちの投稿が多くの人の目に触れているのは、Threads特有の「アルゴリズムによる強制表示(おすすめ機能)」が非常に強力に働いているからです。
彼らの投稿が「拡散」して見えるカラクリは、以下の3つの仕組みによるものです。
1. タイムラインのデフォルトが「おすすめ」である
- 見たくないのに流れてくる理由:
Threadsのアプリを開いた時、最初に表示されるのは「フォロー中」ではなく、AIが勝手に選んだ「おすすめ(For You)」のタイムラインです。そのため、ユーザーがその人をフォローしていなくても、AIが「このジャンルに興味がありそうだ」と判断すれば、本人の意思に関係なくタイムラインに強制的に流し込まれます。
2. 「リプライ(返信)」が最大の拡散トリガーになる
- おままごとコメントが露出を増やす:
Threadsのアルゴリズムは、Xのように「リポスト(拡散)」ではなく、「どれだけコメント(会話)が盛んに行われているか」を最も重視します。 - バカ正直にアルゴリズムを満たす構文:
彼らが「どう思いますか?コメントで教えてね」と問いかけ、それに対して初心者の信者たちが「勉強になります!」と群がってリプライを繰り返すと、AIが「これは今、活発な会話が行われている優良なコンテンツだ」と誤認します。その結果、「おすすめ」タブを通じて、フォロー外の大量のユーザー(あなたのようなプロを含む)へ芋づる式に露出していく仕組みです。
3. インスタグラム側からの流入とブースト
- Meta社全体のレコメンド機能:
Threadsの投稿は、同じMeta社が運営するInstagramのタイムライン上にも「Threadsのおすすめ」として頻繁にスライド表示されます。Threads単体で閉じず、インスタ側の膨大なユーザー層(まさに情弱ターゲット層)を自動的に吸い上げるシステムが構築されています。

つまり、彼らはユーザーの力で「拡散」させているのではなく、Threadsの「コメントが多い投稿を優遇して、おすすめタブに放り込む」というAIの習性をハックしているだけなのです。
まとめ
プロから見れば、中身のないスカスカな投稿でも、アルゴリズムの条件さえ満たせば「万人に届いてしまう」のが、現在のThreadsの歪みと言えます。
また、それをいいことに実力がなくても、とりあえず案件が獲得できればいいという考えを持ってしまっていることが、デザインや制作のレベルが上がらない理由ということに気づいていない悪循環を生み出しています。これは一部の粗悪なスクールやコミュニティが生み出している可能性も高いです。
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