
Threadsなどを見ていると、Webデザイナーを名乗る人がたくさんいます。
ここ数年でそう感じた人は多いのではないでしょうか。
毎日のように「今日の制作」「初案件獲得」「未経験から○ヶ月」「月○万円達成」といった投稿が流れてきます。一見するとWebデザイン業界は活気があり、多くの人が成長しているようにも見えます。しかし、現役のWeb制作会社として日々数多くのWebサイトを見ている立場から言えば、Threadsで投稿しているWebデザイナーの多くは、本当にデザインレベル、SEOも含めた制作レベルが低いです。
※実際に何人もの投稿者のポートフォリオや制作実績を見た上でのお話です。
もちろん、すべての人ではありません。本当に実力のあるクリエイターも存在します。
しかし、全体で見れば「デザインレベル」と「発信力」が比例しているとは到底言えないのが現実です。なぜこのような現象が起きるのでしょうか。
今回はその本質について、少し踏み込んでお話しします。
- Threadsは「実力」が評価される場所ではなく「共感」が評価される場所
- Webデザインの「民主化」が起きた結果、初心者が大量流入している
- SNSは「実力」を評価する場所ではない
- なぜ初心者ほどSNSの発信を信じてしまうのか
- 「デザインできます」と言う人ほど、デザインを分析していない
- なぜ初心者・素人・低レベル同士が褒め合う現象が起きるのか
- 発信力とデザイン力は必ずしも比例しない
- 発信力が実力を追い越してしまう構造
- 「月○万円稼げた」がデザイン力の証明にはならない
- 「共感」は技術力の証明にはならない
- 本物のWebデザインメンターは「耳障りの良い言葉」を言わない
- なぜ制作会社出身のメンターは圧倒的に強いのか
- WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が目指しているもの
Threadsは「実力」が評価される場所ではなく「共感」が評価される場所
まず理解しておかなければならないのが、ThreadsというSNSの性質です。
多くの人は勘違いしていますが、SNSは作品コンテストではありません。アルゴリズムが評価しているのは、「どれだけ技術力があるか」ではなく「どれだけ反応されるか」です。

つまり、
✅ 共感される投稿
✅ 初心者向けの内容
✅ 悩み相談
✅ モチベーション投稿
✅ 炎上しそうな発言
こういったものほど伸びます。
つまり、Threadsで目立つことと、デザインが上手いことは全く別問題なのです。
Webデザインの「民主化」が起きた結果、初心者が大量流入している
昔のWeb制作は簡単ではありませんでした。
Photoshop。Illustrator。HTML。CSS。JavaScript。WordPress。これらをある程度理解しなければ仕事になりませんでした。しかし現在は違います。ノーコード。テンプレート。AI。ドラッグ&ドロップ。数クリックでそれらしいサイトが作れる時代になりました。
これは悪いことではありません。誰でも挑戦できるようになったという意味では素晴らしいことです。しかし同時に、「作れる」と「デザインできる」が混同される時代にもなりました。

✅ テンプレートを組み合わせただけ。
✅ AIが出したデザインを少し修正しただけ。
これでも「制作実績」として投稿できます。
だからWebデザイナーを名乗る人は急増しました。
しかし、本質的なデザイン力は全く別の話です。
SNSは「実力」を評価する場所ではない
ThreadsやXを見ていると、「この人、本当にプロなのだろうか」と感じる投稿が大きく拡散されていることがあります。一方で、制作会社で何百件という案件を担当し、高いレベルのWebサイトを作り続けている人は、ほとんど発信していません。これは偶然ではありません。SNSとWeb制作の現場では、「評価される基準」が全く違うからです。
✅ 共感されること
✅ 反応されること
✅ コメントが付くこと
✅ 保存されること
つまり「アルゴリズムに好かれること」です。
しかし制作会社で評価されるのは、
✅ クライアントを満足させられるか
✅ 納期を守れるか
✅ SEOで結果を出せるか
✅ 売上につながるサイトを作れるか
です。
つまりSNSは「目立つ人」が勝つ世界であり、制作現場は「結果を出す人」が勝つ世界です。
この二つは似ているようで全く別物です。
なぜ初心者ほどSNSの発信を信じてしまうのか
初心者には判断基準がありません。これは悪い意味ではなく当然です。
良いデザインを数多く見てきた人と、学び始めて数週間の人では、「何が良いデザインなのか」を判断できるはずがありません。だから人は分かりやすい数字で判断します。

✅ フォロワー数
✅ いいね数
✅ 保存数
✅ 「月収○○万円」
✅ 「案件獲得」
こうした数字を見ると、「この人は凄いんだ」と思ってしまいます。
しかし、フォロワー数とデザイン力は比例しません。案件数とデザイン力も比例しません。
SNS運用が上手いことと、Webデザインが上手いことは全く別の能力だからです。
また、SNSではフォロワー獲得や案件獲得するために、「盛る」「嘘をつく」「AIに書かせる」など、日常茶飯事の文化でもあるからです。
「デザインできます」と言う人ほど、デザインを分析していない
本当にデザインが上手い人は、毎日デザインを見ています。
✅「なぜこの余白なのか。」
✅「なぜこの色なのか。」
✅「なぜこの写真なのか。」
✅「なぜこの文字サイズなのか。」
✅「なぜこの順番なのか。」
ここまで分解しています。
一方で、Threadsでは、「今日もデザインしました。」「バナー完成。」「LP完成。」という投稿は多くても、その裏側の思考まで語られている投稿はほとんど見かけません。つまり、アウトプットだけで、思考のレベルが見えてこないのです。
デザインは感覚ではありません。ロジックです。そのロジックを説明できない時点で、まだ本質的な理解には到達していないケースが非常に多いのです。
なぜ初心者・素人・低レベル同士が褒め合う現象が起きるのか
Threadsを見ていると、どんな制作物にも「すごい!」「天才!」「素敵!」というコメントが並びます。もちろん応援する文化は素晴らしいことです。しかし問題は、本当に改善すべき作品に対しても、誰も改善点を言わないことです。なぜでしょうか。
理由は単純です。評価する側も初心者・素人・低レベルだからです。
デザインを見る目がまだ育っていない人は、良い悪いの判断基準を持っていません。
すると、「頑張ったこと」を評価するようになります。

これは教育としては優しいかもしれません。
しかし、技術は育ちません。
現場では、クライアントは努力ではなく結果を見ます。
だから制作会社では、「良かったね。」よりも、「ここが弱い。」「ここを直そう。」というフィードバックが重要になります。
発信力とデザイン力は必ずしも比例しない
SNSでは、フォロワー数が多い人ほど信用される傾向があります。
しかし、制作業界ではそうではありません。本当に忙しいデザイナーは、毎日案件を抱えています。

✅ クライアント対応。
✅ 打ち合わせ。
✅ デザイン制作。
✅ 修正。
✅ ディレクション。
✅ 公開対応。
SNSだけに何時間も費やす余裕はありません。
もちろん発信しているプロもいます。
しかし、毎日何十投稿もしながら、現場の第一線で高単価案件を大量にこなすのは物理的に難しいでしょう。だから重要なのは、フォロワー数ではありません。何を作ってきた人なのか。ここを見るべきなのです。
発信力が実力を追い越してしまう構造
今のWeb業界では、発信力が実力を追い越す現象が珍しくありません。
例えば、一日に何件もThreadsへ投稿し、毎日リールを投稿し、毎日ライブ配信を行えば、当然認知は増えます。しかし、その時間は制作していません。
一方、制作会社のデザイナーは、その時間も案件を制作しています。

✅ LPを作り、
✅ 企業サイトを作り、
✅ SEOを考え、
✅ クライアントと打ち合わせをし、
✅ ディレクションをしています。
どちらが技術力を積み上げるでしょうか。
答えは明白です。
技術は、作業量と失敗量でしか伸びません。SNS投稿ではデザイン力は伸びません。制
「月○万円稼げた」がデザイン力の証明にはならない
Threadsでは、「初月30万円」「副業で50万円」「月100万円」という投稿も珍しくありません。
しかし、ここにも落とし穴があります。稼いだ金額と、デザインレベルはイコールではありません。
✅ SNS集客が得意な人もいます。
✅ コピーライティングが得意な人もいます。
✅ バレようがない為、嘘をついている人もいます。
つまり、売上だけでは、デザイン力は判断できません。
本当に見るべきなのは、制作物です。
さらに言えば、継続案件があるか。紹介があるか。成果が出ているか。ここまで見なければ意味がありません。制作会社が評価するのは「一回売れた人」ではなく、何年も選ばれ続ける人です。
「共感」は技術力の証明にはならない
Threadsでよく見る投稿があります。
「今日も案件頑張りました」「デザイン楽しい」「初心者でもできます」こうした投稿は多くの共感を集めます。しかし、そこには成果物がありません。デザインの良し悪しは、文章では判断できません。
✅ 制作物です。
✅ ポートフォリオです。
✅ 公開されているWebサイトです。
✅ デザインです。
✅ SNSの文章ではありません。
プロは作品で評価されます。
ついでに言えば、作品が評価されるのを避けている人も多いのではないかと思います。なぜなら、普通の感覚を持っていれば見たらわかる通り、自分の制作物のレベルが低い事をどこかで認識しているのではないかと思います。だから、綺麗なだけのホームページは意味がないと言ってしまう自称デザイナーも多いのでしょう。
本物のWebデザインメンターは「耳障りの良い言葉」を言わない
最近はWebデザインメンターも非常に増えました。
しかし、良いメンターほど、厳しいことを言います。
✅「余白が甘い。」
✅「写真選びが弱い。」
✅「ターゲットが見えていない。」
こういった指摘を避けません。
逆に、レベルの低いメンターほど、
✅「いいですね。」
✅「順調です。」
✅「その調子です。」
と褒め続けます。
なぜなら、嫌われたくないからです。しかし、それでは成長できません。
本物のメンターとは、作品を褒める人ではありません。受講生のレベルを本気で引き上げる人です。
なぜ制作会社出身のメンターは圧倒的に強いのか
制作会社では、毎日クライアントから評価されます。「もっと成果が出るサイトにしてください」「競合との差別化をしてください」「問い合わせを増やしてください」こうした要求に応え続けています。つまり、毎日が実践です。一方、教えることだけを仕事にしている人は、現場から離れているケースも少なくありません。
✅ SEO
✅ 生成AI
✅ マーケティング
✅ コンバージョン改善
✅ ユーザー行動
これらは数年で大きく変わります。
現場から離れれば、知識も止まります。
だからこそ、今も制作を続けている人から学ぶ価値があります。
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が目指しているもの
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)は、現役Web制作会社が運営しています。
だからこそ、SNSで映える制作物を作ることではなく、実際の現場で通用するデザインを教えています。
✅ SEO。
✅ ディレクション。
✅ マーケティング。
✅ クライアント対応。
✅ 案件獲得。
✅ 提案力。
これらはすべて現場では切り離せません。
また、Webデザインメンターとしても、「なんとなくおしゃれ」ではなく「なぜそのデザインなのか」を言語化し、受講生自身が判断できる力を育てることを重視しています。
SNSでは評価されなくても、現場では評価されるデザイナー。フォロワー数ではなく、クライアントから選ばれるデザイナー。それこそが、本当に目指すべき姿ではないでしょうか。
Webデザインスクールを探している方も、Webデザインメンターを探している方も、まず見るべきなのは発信の派手さではありません。「その人がどんな制作をしてきたのか。」「どんな現場で戦ってきたのか。」そして、「なぜそのデザインなのかを説明できる人なのか。」そこを見極めることが、遠回りに見えて最も確実な近道になるはずです。

