
AIを使えば、誰でも短時間で「それっぽいデザイン」を作れるようになりました。
画像生成AIに指示を出せば、雰囲気のある写真やビジュアルが作れる。AIにWebサイトのデザイン案を出してもらえば、整ったレイアウトが一瞬で完成する。以前なら何時間もかかっていた作業が、数分で形になることも珍しくありません。これはWebデザインにとって非常に大きな変化です。

一方で、最近増えているのが、
「きれいだけど、なぜかテンプレっぽい」
「AIで作った感じがする」
「一見おしゃれなのに、どこか素人っぽい」
というデザインです。
特に、ファーストビューだけを見るとパッと見はそれなりにできているのに、サイト全体を見ると急に普通になるケースは少なくありません。では、なぜAIを使うと、このような「テンプレ感」が出やすいのでしょうか。実は原因はAIそのものではありません。問題なのは、AIが出したものを「完成したデザイン」として、そのまま使ってしまうことです。
この記事では、大阪のWeb制作会社として実際のWeb制作に携わってきた視点から、AIで作ったデザインにテンプレ感が出る理由と、AI時代に必要になるWebデザインの考え方について解説します。
- AIで作ったデザインが「それっぽく」見える理由
- 「きれい」と「オリジナリティ」は別の話
- AIは「正解」を作っているわけではない
- なぜAIデザインは似た雰囲気になりやすいのか
- テンプレ感が強いデザインは「理由」が見えない
- 「AIが作ったものを使う」ことと「AIを使ってデザインする」ことは違う
- AI時代に「センス」が重要になる理由
- 「AIで作ってみた」はWebデザインの実力を証明しない
- ファーストビューだけプロっぽいサイトに注意
- AIを使うほど「普通のデザイン」から抜け出せなくなる人もいる
- AI時代だからこそ、デザインの基礎が重要になる
- Webデザインスクールを選ぶときも「AIが使えるか」だけで判断しない
- 大阪でWebデザインスクールを選ぶなら「誰が添削するか」も見る
- WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が「添削」を重視する理由
- AI時代のWebデザイナーは「作れる人」から「選べる人」へ
AIで作ったデザインが「それっぽく」見える理由
AIは、過去に存在する大量のデザインや画像、レイアウトなどから学習し、ユーザーの指示に近いものを生成します。

そのため、AIに
「高級感のある美容サロンのWebサイト」
「20代女性向けのおしゃれなLP」
「シンプルで洗練されたコーポレートサイト」
といった指示をすると、ある程度まとまったビジュアルが出てきます。
これは非常に便利です。
しかし、ここにAIデザインの大きな落とし穴があります。AIは「多くの人が高級感を感じやすい表現」や「一般的におしゃれに見えやすい構成」を作ることは得意でも、その企業やサービスにしかない理由まで自動的に考えてくれるわけではありません。
「見たことがあるようなレイアウト」
「見たことがあるような写真」
「見たことがあるような配色」
「見たことがあるようなフォント」
が組み合わされやすくなります。
つまり、破綻していない。でも、ありきたり。なんか見たことある感じ。強烈な個性もない。
これが「テンプレ感」の正体の一つです。
「きれい」と「オリジナリティ」は別の話
ここは、AI時代のWebデザインを考えるうえで非常に重要です。
きれいなデザインだからといって、オリジナリティがあるとは限りません。
白い背景
⇩
大きな明朝体
⇩
余白を広く取る
⇩
淡いベージュやグレー
⇩
モデル写真を大きく配置
⇩
細い線や小さな英字をアクセントにする
こうした組み合わせは、確かに洗練されて見えやすいです。
しかし、同じような構成のWebサイトを見たことがある人も多いでしょう。
これは「センスがない」という単純な問題ではありません。むしろ、センスがあるように見える表現をAIが簡単に作れるようになったことで、似たようなデザインが大量に生まれやすくなっているのです。だからこそ、「AIでそれっぽく作れた」だけでは、Webデザイナーとしての強みにはならなくなっています。むしろ、Webデザイナーとしては、自分でデザインできない以上、実力がないといえるでしょう。
AIは「正解」を作っているわけではない
AIにデザインを生成してもらうと、完成度が高いため、そのまま正解だと思ってしまいがちです。
しかし、AIが出したデザインは、あくまで「条件に対して生成された一つの案」です。
✅ クライアントの目的に合っているのか。
✅ ターゲットに適しているのか。
✅ 競合サイトとの差別化ができているのか。
✅ 情報の優先順位は適切なのか。
✅ 問い合わせや購入につながる構成になっているのか。
✅ 実際にWebサイトとして実装したときに使いやすいのか。
こうしたことは、別途人間が判断する必要があります。
ここを判断せず、「AIが作ったから完成」としてしまうと、デザインは一気に薄くなります。
なぜAIデザインは似た雰囲気になりやすいのか
AIにデザインを作らせるとき、多くの人は「おしゃれ」「高級」「シンプル」「かわいい」といった抽象的な言葉を使います。しかし、これらの言葉には具体的な設計情報がほとんどありません。
例えば、「おしゃれな美容サロンのサイトを作って」という指示をした場合、AIは一般的に「おしゃれな美容サロン」に使われやすい要素を組み合わせます。

その結果、似たような、
✅ 淡いカラー
✅ モデル写真
✅ 余白の多いレイアウト
✅ 大きなキャッチコピー
✅ 英字のアクセント
✅ 細い罫線
✅ シンプルなボタン
などが出てきます。
一つひとつは悪くありません。
問題は、それらを使う理由がないことです。

「おしゃれだから入れた」
「高級そうだからこの色にした」
「AIがこのレイアウトを出したから使った」
これでは、デザインではなく「それっぽい装飾の組み合わせ」になってしまいます。
テンプレ感が強いデザインは「理由」が見えない
プロのWeb制作では、デザインを見たときに、「なぜこの形なのか」を説明できることが重要です。
例えば、トップに大きな写真を使うのであれば、「このサービスは写真から品質を伝える必要があるから」という理由があるかもしれません。逆に写真を大きく使わないのであれば、「写真よりもサービスの特徴を先に理解してもらいたいから」という判断かもしれません。

✅ 色にも理由があります。
✅ 文字サイズにも理由があります。
✅ 余白にも理由があります。
✅ レイアウトにも理由があります。
もちろん、すべてを細かく説明しながら制作する必要はありません。
しかし、少なくともデザイナー自身が、「なぜこうしたのか」を理解していることが重要です。
AIに任せきりになると、この部分が抜け落ちやすくなります。
「AIが作ったものを使う」ことと「AIを使ってデザインする」ことは違う
ここは非常に大きな違いです。
AIが作ったものを、そのまま使う。これはAIがWebデザイナーであって、アナタがWebデザイナーではありません。
AIに複数案を出させる
⇩
目的に合うものを選ぶ
⇩
不要な部分を削る
⇩
レイアウトを組み直す
⇩
情報設計を調整する
⇩
実装を考える
⇩
サイト全体の統一感を整える
という使い方なら、AIを「制作の道具」として活用していると言えます。
つまり、重要なのはAIを使うことではありません。
「AIが出したものをどう判断するか」です。
AI時代に「センス」が重要になる理由
AIによって制作そのものが簡単になればなるほど、逆に人間の判断力が重要になります。
例えば、10個のデザイン案をAIに作らせること自体は難しくありません。問題は、その10個の中から、「どれが一番良いのか」を判断することです。さらに言えば、「どこが良くないのか」を見抜くことも必要です。

この判断ができないと、AIを何度使っても、
「なんとなくおしゃれ」
「なんとなく高級」
「なんとなく今っぽい」
というところから抜け出せません。
AI時代のWebデザイナーに必要なのは、単純な制作スピードだけではありません。
「良いものを見分ける力」「違和感を見つける力」「目的に合わせて選ぶ力」が、これまで以上に重要になります。
「AIで作ってみた」はWebデザインの実力を証明しない
SNSでは、「AIでWebサイトを作ってみました」「AIだけでLPを作りました」という投稿を見かけることがあります。もちろん、AIを使って制作すること自体は悪いことではありません。むしろ、これからのWeb制作ではAIを使いこなすことが当たり前になる可能性があります。ただし、「AIで作れた」ことと、「Webデザインができる」ことは同じではありません。一枚の画像として完成度が高いことと、Webサイトとして完成度が高いことも違います。
✅ 情報設計
✅ 導線
✅ コンテンツの優先順位
✅ レスポンシブ対応
✅ ユーザビリティ
✅ 実装
✅ 表示速度
✅ SEO
✅ コンバージョン
など、画像だけでは判断できない要素があります。
そのため、AIで作ったファーストビューだけを見て「プロっぽい」と判断するのは危険です。
本当に見るべきなのは、その下です。
ファーストビューだけプロっぽいサイトに注意
最近はAIによって、ファーストビューの見栄えをかなり高いレベルまで持っていけるようになりました。
✅ 急に普通のレイアウトになる。
✅ 見出しのデザインがバラバラになる。
✅ 余白のルールが崩れる。
✅ ボタンのデザインが統一されていない。
✅ 情報の優先順位が分からなくなる。
✅ 文章と画像のバランスが悪くなる。
こうしたケースがあります。
これは、Webサイト全体を設計しているのではなく、「見栄えのするパーツ」を作っているから起こります。Webデザインは、一枚の画像を作る仕事ではありません。複数の情報を一つのWebサイトとして成立させる仕事です。だからこそ、AI時代ほど「部分ではなく全体を見る力」が必要になります。
AIを使うほど「普通のデザイン」から抜け出せなくなる人もいる
少し辛口に言えば、AIに頼りすぎることで、自分で考えなくなるケースもあります。

「なんか違う」
「もっとおしゃれに」
「もっと高級感を」
「もっと今っぽく」
とAIに何度も指示を出す。
しかし、何が違うのかは自分でも分からない。
これでは、AIに判断を丸投げしているだけです。
AIは指示に応じて別の案を出してくれます。しかし、その案が良くなったのか悪くなったのかを判断するのは人間です。
「文字のジャンプ率が弱い」
「情報の優先順位が伝わらない」
「写真とコンセプトが一致していない」
「余白の取り方に一貫性がない」
「装飾が目的ではなく、装飾のための装飾になっている」
という具体的な言葉に変換できるか。
ここにデザイナーとしての差が出ます。
AI時代だからこそ、デザインの基礎が重要になる
「AIがあればデザインを勉強しなくてもいい」という考え方もあります。
しかし、実際には逆です。AIを使いこなすには、AIが出したものを評価するための基礎知識が必要だからです。
✅ レイアウトの知識がなければ、AIが作ったレイアウトの問題に気づけません。
✅ タイポグラフィの知識がなければ、文字の違和感に気づけません。
✅ 配色の知識がなければ、なぜその色が合わないのか説明できません。
✅ 情報設計を理解していなければ、なぜ「見やすいのに分かりにくい」のか判断できません。
つまりAIは、デザインの知識を不要にするのではなく、デザインの知識を持っている人の制作スピードを上げる道具になっていくと考えられます。
Webデザインスクールを選ぶときも「AIが使えるか」だけで判断しない
これからWebデザインを学ぶ人にとって、AIを扱えることは重要なスキルの一つになるでしょう。
ただし、「AIを使った授業があります」というだけでスクールを選ぶのはおすすめできません。見るべきなのは、AIで作ったものをどう改善するのかです。
「なぜこのデザインでは弱いのか」
「どこを変えるべきなのか」
「ターゲットに合っているのか」
「Webサイトとして成立しているのか」
「実際のクライアント案件ならどう修正するのか」
まで教えてくれるのか。ここには大きな違いがあります。
特に、すでに基本的なWebデザインを学んでいる人が次のレベルを目指すのであれば、「作り方」だけではなく「判断の仕方」を学べる環境かどうかが重要です。
大阪でWebデザインスクールを選ぶなら「誰が添削するか」も見る
大阪でWebデザインスクールを探している場合も、料金や受講期間、AI講座の有無だけで比較するのではなく、「実際にWeb制作の仕事をしている人が、作品をどう見るのか」を確認しておくことをおすすめします。
例えば、「ここをもっとおしゃれにしましょう」という添削だけでは、次の作品でも同じ問題を繰り返す可能性があります。
「なぜこの余白では弱く見えるのか」
「なぜこの配色だとターゲットとズレるのか」
「なぜこのレイアウトはテンプレ感が出るのか」
「実際の案件なら、クライアントにどう説明するのか」
まで具体的に指摘してもらえるほうが、別の案件にも応用できます。
AI時代に必要なのは、「AIの使い方」だけではありません。
AIが出したものを疑い、選び、直す力です。
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が「添削」を重視する理由
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)は、大阪のWeb制作会社として実際のWebサイト制作に携わってきた経験をもとに、Webデザインを教えています。そのため、単純に「きれいなデザインを作れるか」だけを見るのではありません。
「このデザインでクライアントの目的を達成できるか」
「ユーザーが情報を理解できるか」
「サイト全体として統一されているか」
「実装したときに成立するか」
「なぜこのデザインにしたのか説明できるか」
といった視点が必要になります。
AIを使うこと自体を否定するのではなく、AIを使ったうえで「最後に何を判断するのか」を重視しています。AIは非常に便利なツールです。だからこそ、AIに負けないためにAIを使わないのではなく、AIを使っても最後の判断を人間ができることが重要です。
AI時代のWebデザイナーは「作れる人」から「選べる人」へ
これからは、デザインを作るスピードだけでは差別化が難しくなっていくでしょう。
AIによって、ある程度きれいなデザインを短時間で作れる人が増えるからです。
「これは使える」
「これは使えない」
「ここは良い」
「ここは違和感がある」
「この表現はターゲットに合わない」
「このデザインでは競合との差が出ない」
と判断する力です。
AIが10案作ったとしても、全部そのまま使う必要はありません。
むしろ、10案の中から1案を選び、そこから人間がさらに磨いていく。場合によっては、10案すべて捨てて、一から設計し直す。その判断ができることが、これからのWebデザイナーには求められていくはずです。「AIで作れる」ことは、Webデザインのゴールではありません。

✅ AIを使って何を作るのか。
✅ AIが作ったものをどう見るのか。
そして、
✅ 最終的にどんなデザインを選ぶのか。
そこまで考えられて、初めてAIを活用したWebデザインと言えるのではないでしょうか。
AIによって「それっぽいデザイン」が簡単に作れる時代だからこそ、デザイナー自身の目が重要になっています。テンプレ感をなくすために必要なのは、AIを使わないことではありません。「なぜこのデザインなのか」を自分自身で考えられること。それが、AI時代のWebデザインで最も重要な力の一つです。

