
「このデザイン、めちゃくちゃカッコいい!」SNSでそんな投稿を見かけることがあります。
しかし、制作会社で長年デザインに携わっている人から見ると、「なぜこれを良いと思うんだろう…」と首をかしげるようなデザインが高評価を受けていることも少なくありません。
これはデザインだけの話ではありません。ファッションでも同じです。全身ハイブランドで固めているからおしゃれなのではありません。高価な時計を付けているからセンスが良いわけでもありません。
本人は「イケている」と思っていても、周囲から見るとバランスが悪く、「ダサい」と感じられてしまうことがあります。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
結論から言えば、人は「知っている範囲」でしか物事を評価できないからです。デザインもファッションも、美術も建築も、料理も同じです。見る基準が低ければ、低いものを「良い」と判断します。逆に基準が高くなれば、今まで良いと思っていたものに違和感を覚えるようになります。これは才能ではありません。知識と経験によって誰でも変えられるものです。
Webデザインスクール 大阪でスクールを探している方や、Webデザイン メンターを探している方にこそ知ってほしいのは、「センスがない」のではなく「判断基準が育っていないだけ」という事実です。
今回は、なぜ悪いデザインを良いと思ってしまうのか、その本質について制作会社目線で掘り下げていきます。
「悪いデザイン」を良いと思ってしまう最大の理由は、自分の基準値が低いから
少し厳しい言い方になります。しかし、これが現実です。デザインには好みがあります。
ですが、それ以上に「基準」があります。
✅ 文字が揃っていない。
✅ 余白がバラバラ。
✅ 色が多すぎる。
✅ 情報量が多すぎる。
✅ 視線誘導がない。
など、これらは「好み」ではありません。単純に品質の問題です。
しかし初心者は、それを問題だと認識できません。なぜなら、今まで見てきたデザインの基準が低いからです。
例えば毎日、質の低いデザインばかり見ていた人は、その世界が普通になります。逆に、世界的なクリエイティブや受賞作品を毎日のように分析している人は、そのレベルが普通になります。
つまり、人は自分の基準値以上の評価はできません。
「自分は見る目がある」と思ってしまう心理現象
ここで有名なのが、ダニング=クルーガー効果です。これは、知識や経験が少ない人ほど、自分を過大評価してしまう心理現象です。逆に、経験豊富な人ほど、「まだ足りない。」「もっと改善できる。」と考えます。制作会社でも、この違いは本当によく見ます。

経験が浅い人やレベルが低い自称デザイナーほど、「自信作です。」「かなり良くできました。」と言います。
一方で、トップデザイナーほど、「まだ甘い。」「もっと削れる。」「完成度は70点。」と評価します。これは謙遜ではありません。改善点が見えているからです。
つまり、本当にレベルが高い人ほど、自分を疑う習慣があります。
SNSが「見る目」を狂わせる時代
昔は制作会社やデザイン事務所で働かなければ、プロのデザインを見る機会は限られていました。しかし今は違います。SNSを開けば、「AIで5分で作りました。」「30秒で作ったLPです。」そんな投稿が毎日のように流れてきます。実際本当に大したことがないものが多いです。
問題は、それに「すごい!」「天才!」「めちゃくちゃ綺麗!」というコメントが付いていることです。でも、そのコメントを書いている人は、本当にデザインを評価できる人でしょうか。

✅ デザイン経験が数か月の人。
✅ スクール受講中の人。
✅ 趣味でデザインを始めた人。
✅ ただの素人
✅ 制作実績のレベルが低い人
そんな人同士が褒め合っているケースも少なくありません。
すると、投稿した本人も「これでいいんだ。」と思ってしまいます。
これが今のSNSの怖さです。馴れ合いの環境で評価されることと、品質が高いことは全く別です。
「いいね」が多いから良いデザイン。フォロワーが多いから実力者。これは必ずしも成り立ちません。
ファッションもデザインも、構造はまったく同じ
デザインの話になると難しく感じる人もいます。しかし、ファッションに置き換えると非常に分かりやすくなります。

例えば、
✅ 全身ブランドロゴだらけ。
✅ 赤・黄・青・緑を全部使っている。
✅ サイズ感がバラバラ。
✅ とにかく高価なアイテムを詰め込んでいる。
本人は「高かった。」「流行っている。」「限定だから。」と思っています。
でも周囲から見ると、「なんかダサい。」と感じます。わざわざ言われないだけでそう思われています。なぜでしょうか。理由は単純です。全体のバランスが崩れているからです。
✅ 派手なグラデーション。
✅ アニメーションを大量に使う。
✅ 影を付ける。
✅ 装飾を増やす。
✅ フォントを何種類も使う。
これらは「頑張った感」は出ます。
しかし、品質は上がりません。むしろ、情報が散らかり、伝えたいことがぼやけてしまいます。本当にセンスがある人ほど、「足す」よりも「引く」ことに時間をかけます。
余白を活かし、色数を抑え、フォントを絞り、情報を整理する。その結果として、見る人にとって心地よく、伝わるデザインが生まれるのです。
「センスがない」のではなく、「見る量」と「見る質」が圧倒的に足りない
「私はセンスがないから…」これはWebデザインを学び始めた人から本当によく聞く言葉です。しかし、制作会社で長年デザイナーを見てきて断言できることがあります。センスがない人ではなく、良いものを見ていない人がほとんどです。
例えば料理人。
✅一流の料理人は毎日コンビニ弁当だけを食べているでしょうか。
✅プロのカメラマンはスマホで撮った写真だけを見て勉強するでしょうか。
✅建築家は近所の建売住宅だけを研究するでしょうか。
そんなことはありません。
一流は一流を見ます。だから基準が高くなります。ところがWebデザインになると、多くの人がPinterestやSNSで少し見る程度です。しかも、その中にはプロが作ったデザインもあれば、初心者が作ったデザインも混ざっています。その違いも分からないまま「これカッコいい」と保存している。これでは見る目は育ちません。プロは「数」を見ています。しかし、それ以上に「質」を見ています。
良いデザインを見るだけでは成長しない
ここも非常に重要です。
「良いデザインを見ましょう。」これはどこのスクールでも言います。しかし、それだけでは意味がありません。例えば高級レストランへ行ったとしても、料理人でなければ、「美味しかった。」で終わります。デザイナーも同じです。見るだけでは意味がありません。重要なのは、なぜ良いのかを分解することです。
✅ なぜこの余白なのか。
✅ なぜこの文字サイズなのか。
✅ なぜこの写真なのか。
✅ なぜこの色なのか。
✅ なぜこの順番なのか。
✅ なぜここだけ中央揃えなのか。
ここまで考えられるようになって初めて、デザインが知識になります。
見るだけでは感想です。分析して初めて学習になります。
「好き」と「良いデザイン」は全く違う
ここも勘違いする人が非常に多いです。
自分が好きなデザイン。これはあります。しかし、好きだから良いデザインとは限りません。

例えば、
✅ 自分は黒が好き。だから全部黒にする。
✅ 自分は明朝体が好き。だから全部明朝にする。
✅ 自分はアニメーションが好き。だから全部動かす。
これはデザインではありません。ただの自己満足です。
デザインとは、自分が好きなものを作る仕事ではありません。ターゲットが求めるものを作る仕事です。
✅ 介護施設のホームページ。
✅ 子ども向けサービス。
✅ 法律事務所。
✅ 美容クリニック。
全部デザインは変わります。
自分の好き嫌いではありません。相手がどう感じるか。これがデザインです。
デザインが上手い人ほど「自分」を消す
新人ほど、「個性を出したい。」と言います。しかし、制作会社では逆です。まず個性はいりません。
まず求められるのは、「伝わること。」「見やすいこと。」「成果が出ること。」
個性はそのあとです。
✅ 自分を前面には出しません。
✅ ブランドを引き立てます。
✅ 商品の魅力を引き出します。
✅ クライアントを主役にします。
つまり、プロは自己表現ではなく、課題解決をしているのです。
良いメンターは「答え」を教えない
ここも大きな違いです。
レベルが低いメンターほど、「こうしてください。」「これに変えましょう。」と答えを教えます。一見親切です。でも、それでは考える力は育ちません。
✅「なぜそうしたの?」
✅「誰に向けたデザイン?」
✅「それを選んだ理由は?」と質問します。
理由があります。デザインとは、答えを暗記するものではないからです。考え方を身につける仕事だからです。だから毎回、考える癖を付けます。その積み重ねが、判断基準になります。
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が最初に教えるのは「作り方」ではない
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)は、最初からツールの操作だけを教えるスクールではありません。もちろん、PhotoshopやIllustrator、HTML・CSSなどの技術も重要です。しかし、それより先に学ぶべきことがあります。それが「見る基準」です。
✅ 悪いとは何か。
✅ なぜそのデザインになるのか。
✅ なぜ成果が出るのか。
これを理解しなければ、どれだけIllustratorを覚えても、どれだけHTMLを書けても、良いWebサイトは作れません。
だからAppRizzでは、制作会社で実際に行われているレビュー基準をもとに、現役プロデザイナーやクリエイティブディレクターが、一つひとつのデザインを論理的に添削します。
「ここを直しましょう。」では終わりません。「なぜそこが悪いのか。」「次からどう考えれば同じ失敗をしないのか。」そこまで徹底的に言語化します。これが受講生の”見る目“を育てる理由です。
デザインのレベルは「見る基準」で決まる
結局、デザインは手を動かす仕事ではありません。判断する仕事です。
✅ 何を削るか。
✅ どこを目立たせるか。
✅ どこを抑えるか。
その判断を支えているのが、自分の中にある基準です。
基準が低ければ、どれだけ時間をかけても、低いものしか作れません。逆に、基準が高くなれば、自然とアウトプットも変わります。
だからプロは、毎日良いデザインを見続けます。分析し続けます。学び続けます。
センスとは、生まれ持った才能ではありません。良いものと悪いものを見分ける「判断基準」の積み重ねです。
まとめ
「悪いデザインを良いと思ってしまう。」
これは能力が低いからではありません。知らないだけです。経験していないだけです。
しかし、そのまま自己流を続けると、間違った基準がどんどん強化されます。
だからこそ、本当に成長したいなら、自分よりはるかに高い基準を持った人から学ぶことが重要です。
WebデザインスクールやWebデザイン メンターを選ぶ際は、「ツールを教えてくれるか」ではなく、「なぜそのデザインが良いのか、悪いのかを論理的に説明できるか」という視点で選んでみてください。
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)は、現役のWeb制作会社だからこそ持っている実務基準をもとに、単なる添削ではなく、受講生一人ひとりの「見る目」と「判断基準」を育てることを重視しています。良いデザインを作れるようになる前に、まずは良いデザインを見抜ける人になること。それが、AI時代でも選ばれ続けるWebデザイナーへの最短ルートです。

