
「Webデザインスクールを卒業したのに、案件が取れない」
「スクールで一通り勉強したはずなのに、応募しても採用されない」
「ポートフォリオも作ったのに、なかなか仕事につながらない」
Webデザインを学んだ人から、こうした悩みを聞くことは珍しくありません。

数ヶ月間スクールに通い、
✅ PhotoshopやIllustratorを学んだ。
✅ HTML・CSSも勉強した。
✅ 課題もこなした。
✅ ポートフォリオも作った。
それなのに、いざ仕事を探し始めると、思ったように案件が取れない。
これは、必ずしも「勉強が足りないから」という単純な話ではありません。
むしろ問題は、スクールで学んだことと、クライアントや制作会社が実際に仕事を依頼するときに見ていることの間に、ズレがあるケースです。スクールを卒業したことは、「Webデザインを学んだ」という証明にはなります。しかし、「仕事を任せられる」という証明になるわけではありません。
この記事では、大阪のWeb制作会社として実際の制作に携わってきた視点から、なぜスクール卒業後も案件が取れないのか、その原因を具体的に解説します。
- 「スクールを卒業した=案件が取れる」ではない
- 理由1:スクールの課題を「実績」だと思ってしまっている
- 理由2:「作れるもの」と「求められているもの」がズレている
- 理由3:ポートフォリオが「作品集」で終わっている
- 理由4:作品のクオリティが「仕事を任せたい」レベルに届いていない
- 理由5:「何ができるか」が相手に伝わっていない
- 理由6:営業しているつもりでも「応募」だけになっている
- 理由7:「安くすれば取れる」と考えてしまう
- 「実績がないから案件が取れない」は半分正しい
- スクール卒業後に必要なのは「もう一度学ぶこと」ではない場合もある
- 「作る力」と「仕事を任せてもらう力」は別
- 制作会社が見ているのは「完成作品」だけではない
- Webデザインスクールを卒業する前に確認しておきたいこと
- 大阪でWebデザインスクールを選ぶなら「卒業後」を見る
- WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が「添削」を重視する理由
- 案件が取れないときに、最初に見直すべきなのは「勉強量」ではない
- スクール卒業はスタートライン
「スクールを卒業した=案件が取れる」ではない
まず最初に、ここを勘違いしないことが重要です。
Webデザインスクールは、基本的には「学ぶ場所」です。一方、案件を依頼するクライアントが探しているのは、「仕事をしてくれる人」です。この2つは似ていますが、同じではありません。
例えば、スクールでは、「Photoshopの操作方法を覚えた」「Illustratorでバナーを作れるようになった」「HTML・CSSを書けるようになった」「Webサイトを1つ完成させた」ということが成果になります。
「この人に自社サイトを任せて大丈夫なのか?」
「こちらの要望を理解してくれるのか?」
「修正をきちんと対応してくれるのか?」
「納期を守ってくれるのか?」
「こちらが言語化できていない問題まで考えてくれるのか?」
という部分が重要になります。
つまり、「何を学んだか」と「何を任せられるか」は別の話です。
ここを理解しないまま卒業すると、スキルは身についたのに案件が取れないという状態になりやすくなります。
理由1:スクールの課題を「実績」だと思ってしまっている
案件が取れない人に多いのが、スクールの課題をそのまま実績として考えてしまうケースです。
もちろん、スクールで制作した作品をポートフォリオに掲載すること自体は問題ありません。実務経験がない段階では、架空案件や課題作品を掲載することも必要です。問題なのは、その作品が「仕事として成立するレベルなのか」を検証していないことです。
例えば、「カフェの架空サイトを作りました」だけでは、クライアント側からすると判断できることが限られています。
✅ 誰をターゲットにしたのか。
✅ 何を目的としたサイトなのか。
✅ 競合との差別化をどう考えたのか。
✅ 自分はどこまで担当したのか。
✅ スマートフォンではどう設計したのか。
こうした情報がなければ、「課題を完成させた」ということしか伝わりません。
仕事を依頼する側が知りたいのは、課題を終わらせた事実ではありません。
「実際の案件でも考えて作れそうか」です。
理由2:「作れるもの」と「求められているもの」がズレている
Webデザインを勉強すると、自分が作りたいものを作ることに集中しがちです。
しかし、仕事では逆です。クライアントが求めているものを作る必要があります。
例えば、デザイナー本人は、「シンプルで洗練されたデザインが得意」だと思っていても、依頼者が求めているのが、「地域のお客様に安心感を持ってもらえるサイト」なら、単純に「おしゃれ」にすればいいわけではありません。また、「自分は高級感のあるデザインが得意」だとしても、ターゲットが若い学生なら、必ずしもその表現が適しているとは限りません。
「自分が好きなデザイン」よりも、「相手の目的に合ったデザイン」
を作る必要があります。
この視点が弱いと、作品そのものは悪くなくても、案件につながりにくくなります。
理由3:ポートフォリオが「作品集」で終わっている
前の記事でも解説しましたが、ポートフォリオは単なる作品集ではありません。
仕事を依頼する側からすれば、ポートフォリオは「この人に仕事を任せられるか」を判断する材料です。ところが、「制作したサイトの画像」「バナー」「プロフィール」だけを並べて終わっているポートフォリオは少なくありません。これでは、作品の見た目しか判断できません。
「なぜこのデザインにしたのか」
「どのような課題を解決するために作ったのか」
「どこまで自分が担当したのか」
「どのような点を意識したのか」
を伝えることです。
もちろん、長い文章を大量に書けばいいわけではありません。
むしろ、短い文章でも「考えて制作している」ことが伝わるほうが重要です。
理由4:作品のクオリティが「仕事を任せたい」レベルに届いていない
これは厳しい話ですが、避けて通れません。
案件が取れない原因が、単純にデザインのクオリティである場合もあります。「スクールを卒業したから、自分はプロとして仕事ができる」と考えてしまう人もいます。しかし、クライアントや制作会社は卒業証書を見て仕事を依頼するわけではありません。実際に作品を見ます。そして、「この人に任せたら、どんなものが出来上がるのか」を判断します。
✅ 文字組みが不自然。
✅ 余白のルールがバラバラ。
✅ 配色に理由がない。
✅ 写真の扱いが弱い。
✅ 情報の優先順位が分からない。
✅ 装飾が多すぎる。
✅ スマートフォンで見たときの設計が弱い。
こうした問題が積み重なると、作品全体から「まだ実務には早い」という印象を持たれる可能性があります。
ここで重要なのは、本人が「頑張って作ったか」ではありません。
仕事として見たときに、品質が成立しているかどうかです。
理由5:「何ができるか」が相手に伝わっていない
「Photoshopできます」「Illustratorできます」「HTML/CSSできます」「WordPressできます」これだけでは、仕事を依頼する側は判断しにくいものです。なぜなら、ツールを使えることと、成果物を作れることは別だからです。
例えば、「Illustratorが使えます」よりも、「Illustratorを使ってWebサイトのデザイン、バナー、広告クリエイティブなどを制作できます」のほうが、具体的です。さらに、「美容・店舗系のWebデザインを中心に、企画意図に合わせたデザイン提案ができます」など、実際に何を任せられるのかまで伝えられれば、依頼する側もイメージしやすくなります。
「私はこれを勉強しました」ではなく、「私はこれを任せてもらえます」
まで変換する必要があります。
理由6:営業しているつもりでも「応募」だけになっている
案件を探すとき、クラウドソーシングや求人サイトに応募する人は多いでしょう。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。しかし、「案件に応募する」ことと、「仕事を取りに行く」ことは、必ずしも同じではありません。
「Webデザインを勉強しました」
「一生懸命対応します」
「よろしくお願いします」
だけの提案では、他の応募者との差がほとんどありません。
クライアントからすれば、「なぜこの人に依頼するのか」が分からないからです。
重要なのは、自分のスキルを並べることではありません。相手の課題に対して、「自分なら何ができるのか」を伝えることです。
「既存サイトを拝見したところ、スマートフォンでの情報の見せ方に改善余地があると感じました」
など、相手のサイトを見たうえで具体的に提案する。
それだけでも、単純な「できます」という応募とは大きく違います。
理由7:「安くすれば取れる」と考えてしまう
案件が取れないと、「もっと安くすればいいのでは?」と考えてしまう人もいます。
確かに価格を下げることで受注につながるケースはあります。しかし、それを繰り返していると、別の問題が出てきます。安さだけを理由に選ばれると、価格競争から抜けにくくなるからです。また、低価格で案件を受け続けると、一件あたりにかけられる時間も少なくなります。
制作に時間をかけられない
⇩
品質を上げられない
⇩
実績が強くならない
⇩
さらに安い案件を探す
という状態になることがあります。
もちろん、実績を作るために最初の数件を戦略的に低価格で受ける考え方もあります。
しかし、「案件が取れないから、とにかく値段を下げる」というのは、根本的な解決にならないことも多いのです。
「実績がないから案件が取れない」は半分正しい
よくある悩みが、「実績がないから案件が取れません」というものです。
これは確かに一理あります。クライアントからすれば、実績が多い人のほうが安心材料が多いでしょう。しかし、実績がないことだけが問題なのではありません。実績がないなら、「実績がなくても、これくらい考えて制作できる」ことを見せる必要があります。
✅ 実際の店舗を想定する
✅ 競合サイトを調査する
✅ ターゲットを設定する
✅ 目的を決める
✅ 情報設計を考える
✅ スマートフォンまで設計する
✅ デザインの意図を説明する
ところまで作り込めば、単なる「練習作品」とは見え方が変わります。
実績がないことを隠す必要はありません。
その代わり、「実務を想定して考えられること」を見せることが重要です。
スクール卒業後に必要なのは「もう一度学ぶこと」ではない場合もある
案件が取れないと、「もっと勉強しなければ」と思う人は多いでしょう。
もちろん、スキルアップは必要です。しかし、すでに基本的なデザインやコーディングを学んでいるのであれば、さらに教材を増やすことだけが解決策とは限りません。むしろ、「自分の作品のどこが仕事につながらないのか」を第三者に見てもらうほうが重要な場合があります。
「情報の優先順位が弱い」
「余白のルールがない」
「ターゲットに対して表現がズレている」
「ファーストビューだけで、その後の設計が弱い」
といった問題が見つかることがあります。
自分で作って、自分で評価している限り、このズレには気づきにくいものです。
「作る力」と「仕事を任せてもらう力」は別
Webデザインの仕事を取るためには、制作スキルだけでは足りません。
✅ デザインを作る力。
✅ Webサイトを実装する力。
✅ クライアントの要望を理解する力。
✅ 目的を整理する力。
✅ 修正に対応する力。
✅ 納期を守る力。
✅ 制作意図を説明する力。
✅ ポートフォリオで自分の能力を伝える力。
✅ 提案する力。
こうしたものが組み合わさって、「仕事を任せられる人」になっていきます。
そのため、「デザインはできるのに案件が取れない」という人は、デザインスキルだけを伸ばすのではなく、どこで信頼を失っているのかを考えてみる必要があります。
制作会社が見ているのは「完成作品」だけではない
制作会社がWebデザイナーを見るとき、完成したデザインだけを見るとは限りません。
むしろ、「この人はどう考えて、このデザインにしたのか」を知りたいことがあります。
✅ なぜこの写真なのか。
✅ なぜこの色なのか。
✅ なぜこの文字サイズなのか。
✅ なぜこの導線なのか。
そこに一貫した考えがあるかどうかです。
もちろん、すべてのデザインに正解があるわけではありません。
しかし、少なくとも「なんとなく」で作ったものと、目的を考えて作ったものでは、作品から伝わってくるものが違います。これは、AIによってデザイン制作そのものが簡単になった今、さらに重要になっています。
Webデザインスクールを卒業する前に確認しておきたいこと
スクールを卒業することをゴールにしてしまうと、その後に苦労する可能性があります。
卒業前に考えておきたいのは、「何を勉強したか」ではなく、「何を仕事として任せてもらえるか」です。
「Webサイトをデザインできます」だけではなく、「クライアントの目的を整理して、ターゲットに合わせたWebサイトのデザインを提案できます」まで言えるか。
「バナーが作れます」ではなく、「広告の目的に合わせて、訴求内容を整理したバナーを制作できます」と言えるか。
この違いは小さく見えて、実際にはかなり大きな差になります。
大阪でWebデザインスクールを選ぶなら「卒業後」を見る
大阪でWebデザインスクールを探している人は、受講料金やカリキュラムだけでなく、「卒業後に何ができる状態を目指すのか」も確認しておくとよいでしょう。
✅ ポートフォリオをどう作るのか。
✅ 作品を誰が添削するのか。
✅ 実際の制作会社ではどこを見るのか。
✅ クライアントを想定した制作ができるのか。
✅ デザインの意図を説明する練習があるのか。
✅ 案件獲得について具体的に学べるのか。
こうした部分は、スクールによって考え方が異なります。
「何ヶ月学べるか」だけではなく、「何ができる状態で卒業するのか」を見ることが重要です。
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が「添削」を重視する理由
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)は、大阪のWeb制作会社として実際のWeb制作に携わってきた経験をもとに、Webデザインを教えています。
そのため、単純に「課題を完成させること」だけをゴールにはしていません。
「このデザインで目的を達成できるか」
「ターゲットに伝わるか」
「情報の優先順位は適切か」
「スマートフォンでも成立するか」
「クライアントに説明できるか」
「実際の案件として任せられるか」
という視点が必要になります。
だからこそ、作品を作って終わりではなく、第三者から具体的なフィードバックを受けることが重要だと考えています。特に、すでにWebデザインの基礎を学んだ人であれば、「また一から勉強する」のではなく、「今の作品のどこが仕事につながらないのか」を知ることが、次のステップになる場合があります。
案件が取れないときに、最初に見直すべきなのは「勉強量」ではない
スクールを卒業して案件が取れない。
そのとき、「もっと勉強しよう」と考えるのは自然なことです。しかし、すでに基礎を学んでいるのであれば、まず確認してほしいのは、「自分の作品を見た相手が、本当に仕事を任せたいと思えるか」ということです。

✅ デザインのクオリティは十分なのか。
✅ 作品から考えて制作していることが伝わるのか。
✅ 何を任せられる人なのか分かるのか。
✅ クライアントの目的を理解できそうか。
✅ 修正やコミュニケーションを任せられそうか。
そして、
✅ 自分の強みをきちんと伝えられているか。
案件が取れない原因は、一つとは限りません。
✅ ポートフォリオの問題かもしれません。
✅ 営業方法の問題かもしれません。
✅ 提案内容の問題かもしれません。
そもそも狙っている案件とスキルが合っていないのかもしれません。
だからこそ、「もっと勉強すればいい」と一括りにせず、自分がどこで止まっているのかを具体的に見ることが大切です。
スクール卒業はスタートライン
Webデザインスクールを卒業したことは、決して無駄ではありません。
基礎を学び、制作経験を積み、ポートフォリオを作る。これは案件を獲得するための土台になります。ただし、それだけで仕事が自然に入ってくるわけではありません。スクールで学んだ知識を、「仕事として任せてもらえるスキル」に変えていく必要があります。
「作れる」から「考えて作れる」へ。
「作った」から「なぜ作ったのか説明できる」へ。
「応募する」から「相手の課題に対して提案できる」へ。
変わっていくことが重要です。
AIによってデザインを作ること自体が簡単になっている今、この差はさらに大きくなっていくでしょう。これからのWebデザイナーに求められるのは、単にソフトを操作できる人ではありません。
クライアントの目的を理解し、考え、判断し、形にして、そして「この人なら仕事を任せられる」と思ってもらえる人です。
スクール卒業後も案件が取れないのであれば、まず「自分には何が足りないのか」を漠然と考えるのではなく、「仕事を依頼する側から見たとき、自分は何を任せられる人に見えているのか」を見直してみてください。そこに、案件獲得につながるヒントがあるはずです。

