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制作会社はWebデザイナーの作品のどこを見るのか|採用・外注で実際に見るポイントを解説

制作会社はWebデザイナーの作品のどこを見るのか|採用・外注で実際に見るポイントを解説

「Webデザイナーとして仕事をしたいけれど、制作会社はポートフォリオのどこを見ているのか分からない」
「自分では良いデザインだと思っているのに、なかなか仕事につながらない」
「作品を増やしたほうがいいのか、それともクオリティを上げたほうがいいのか分からない」
Webデザインを学んでいる人から、このような相談を受けることがあります。特にスクール卒業後や独学から仕事を始める段階では、「制作会社が何を基準にデザイナーを見ているのか」が分からないため、自分なりに「おしゃれな作品」を増やしてしまいがちです。しかし、制作会社がWebデザイナーの作品を見るとき、単純に「おしゃれかどうか」だけを見ているわけではありません。むしろ重要なのは、「この人に実際の案件を任せたら、どんな仕事をしてくれるのか」が作品から想像できるかどうかです。
今回は、大阪のWeb制作会社として実際にWebサイト制作に携わってきた視点から、制作会社がWebデザイナーの作品を見るときにチェックしているポイントを解説します。

制作会社が最初に見るのは「センス」だけではない

Webデザイナーのポートフォリオを見るとき、多くの人は、「どれだけおしゃれか」「どれだけ今っぽいか」「どれだけデザインが上手いか」を最初に考えるかもしれません。もちろん、デザインのクオリティは重要です。しかし、制作会社が仕事を依頼する側として見る場合、それだけでは判断できません。

例えば、非常におしゃれなサイトを作れるとしても、
✅ クライアントの要望を無視する
✅ 修正に対応できない
✅ 情報整理ができない
✅ レスポンシブを考えられない
✅ 納期を守れない
✅ デザインの意図を説明できない

のであれば、実務では扱いにくくなります。
逆に、派手さはなくても、
「目的を理解している」
「情報を整理できる」
「丁寧にデザインできる」
「実装まで考えている」

ことが伝われば、仕事を任せるイメージを持ちやすくなります。

つまり、制作会社が見ているのは「完成画像」だけではありません。
その作品の裏側にある、デザイナーの考え方まで見ています。

1. まず見るのは「デザインの完成度」

もちろん、最初からデザインのクオリティを見ないわけではありません。
むしろ一定以上のクオリティは必要です。

例えば、
✅ 文字組み
✅ 余白
✅ レイアウト
✅ 配色
✅ 写真の扱い
✅ 情報の強弱
✅ 装飾
✅ コンポーネントの統一

などです。

ここで重要なのは、一つひとつのテクニックだけではありません。
「全体として整っているか」です。

✅ 一部分だけを切り取ればおしゃれなのに、ページ全体を見るとバランスが悪い。
✅ ファーストビューは良いのに、下層に進むと急に普通になる。
✅ 見出しだけ凝っているのに、本文との関係が弱い。

こうした作品は、部分的なデザインスキルはあっても、Webサイト全体を設計する力がまだ弱い可能性があります。制作会社は、こうした部分も見ています。

2. 「誰に向けたデザインなのか」が分かるか

次に重要なのが、ターゲットです。

例えば、美容サロンのサイトを作ったとしても、
✅ 20代女性向けなのか。
✅ 30〜40代向けなのか。
✅ 高価格帯なのか。
✅ 地域密着型なのか。
✅ 男性向けなのか。

それによって適切なデザインは変わります。

ところが、作品を見ても、「なぜこのデザインなのか」が分からないケースがあります。

✅ ただ流行しているデザインを使っているだけ。
✅ ただおしゃれな写真を置いているだけ。
✅ ただ淡い色を使っているだけ。

これでは、デザインの意図が伝わりません。

制作会社が知りたいのは、「このデザイナーは、ターゲットに合わせてデザインを変えられるのか」ということです。

3. 「目的」を理解しているか

Webサイトには、基本的に何らかの目的があります。

✅ 問い合わせを増やしたい。
✅ 予約を増やしたい。
✅ 商品を購入してもらいたい。
✅ 会社を知ってもらいたい。
✅ 採用応募を増やしたい。
✅ 店舗へ来てもらいたい。

この目的によって、Webサイトの設計は変わります。

例えば、採用サイトとECサイトでは、同じ「会社の魅力を伝えるサイト」でも必要な情報や導線が異なります。それなのに、どんな案件でも同じような構成やデザインになっている場合、「デザインを作っているだけで、Webサイトの目的まで考えていないのでは?」と見られる可能性があります。制作会社が評価するのは、単に見た目を整える能力ではありません。目的に合わせてデザインを変えられる能力です。

4. 情報の優先順位を考えられているか

Webデザインでは、すべての情報を同じ強さで見せることはできません。

✅ 何を一番伝えたいのか。
✅ 次に何を見てほしいのか。
✅ どこで興味を持たせるのか。
✅ どこで行動してもらうのか。

この優先順位を考える必要があります。
例えば、
✅ キャッチコピー
✅ サービスの特徴
✅ 料金
✅ 実績
✅ お客様の声
✅ CTA

などがすべて同じ大きさ、同じ強さで並んでいたら、ユーザーは何を見ればいいのか分かりません。

逆に、情報量が多くても、視線の流れが設計されていれば理解しやすくなります。
ここは「おしゃれかどうか」とは別の、Webデザイン特有の重要なポイントです。

5. 余白の使い方を見る

以前の記事でも「素人っぽく見える理由」として触れましたが、制作会社は余白も見ます。
単純に、「余白が多い=おしゃれ」ではありません。重要なのは、余白にルールがあるかどうかです。

✅ 見出しと本文の間。
✅ セクションとセクションの間。
✅ 画像とテキストの間。
✅ 左右の余白。
✅ コンテンツ同士の距離。

これらがバラバラだと、全体の完成度が下がります。

逆に、余白のルールが整っていると、シンプルなデザインでも非常に洗練されて見えます。
つまり、余白は「空いている場所」ではありません。情報同士の関係を整理するためのデザイン要素です。

6. タイポグラフィを見れば、基礎力が分かる

制作会社がデザインを見るとき、文字の扱いも重要なポイントです。

✅ フォントを何種類使っているか。
✅ 文字サイズの差は適切か。
✅ 行間は読みやすいか。
✅ 字間は不自然ではないか。
✅ 見出しと本文の関係は明確か。
✅ 日本語と英字の組み合わせは成立しているか。

こうした部分は、派手な装飾よりもデザインの基礎力が出やすいところです。

特に、初心者の作品では、「文字を大きくすれば目立つ」「太字にすれば重要に見える」という単純な処理になりやすい傾向があります。しかし、プロのデザインでは、サイズだけではなく、余白、配置、ウェイト、色などを組み合わせて情報の強弱を作ります。

7. 写真や素材を「置いただけ」になっていないか

Webデザインでは、写真のクオリティも重要です。
ただし、良い写真を使えば良いデザインになるわけではありません。

✅ 写真をどこに置くのか。
✅ どのサイズで見せるのか。
✅ どこをトリミングするのか。
✅ テキストとどう組み合わせるのか。
✅ 他の写真とのトーンは合っているか。

こうした判断が必要です。

最近ではAI画像生成も普及し、非常にクオリティの高いビジュアルを簡単に作れるようになりました。
しかし、画像そのものがきれいでも、サイト全体の中で意味のない写真になっていれば、Webデザインとしての評価は上がりません。「素材のクオリティ」と「素材の使い方」は別の話です。

8. ファーストビューだけで判断しない

これは制作会社側の視点として、かなり重要です。
ポートフォリオに掲載されているWebサイトの画像を見るとき、ファーストビューだけで「上手い」と判断するのは危険です。ファーストビューは、最も作り込まれていることが多いからです。むしろ制作会社が見たいのは、その下です。

✅ セクションが変わってもデザインルールが維持されているか。
✅ 情報量が増えても整理されているか。
✅ 見出しのルールが統一されているか。
✅ CTAが適切に配置されているか。
✅ スマートフォンではどうなるのか。
✅ 下層ページまで設計されているのか。

つまり、「一枚の画像としてきれいか」ではなく、「Webサイトとして成立しているか」を見るわけです。

9. PCだけでなくスマートフォンまで考えているか

現在のWebサイト制作では、PC画面だけ完成していればいいわけではありません。

スマートフォンで見たとき、
✅ 文字が小さすぎないか。
✅ 余白が広すぎないか。
✅ 画像の見え方は適切か。
✅ ボタンが押しやすいか。
✅ コンテンツの順番は自然か。
✅ 情報量が多すぎないか。

などを考える必要があります。

ポートフォリオにPC版しか掲載されていない場合、実際の制作でレスポンシブまで考えられるのか判断しにくくなります。可能であれば、PCだけでなくスマートフォン版も見せたほうが、自分の対応力を伝えやすくなります。

10. デザインの「一貫性」を見る

プロのWebサイトは、ページやセクションが変わっても、ある程度のデザインルールが維持されています。

✅ 見出しのルール。
✅ ボタンのルール。
✅ 色のルール。
✅ 余白のルール。
✅ 写真の扱い。
✅ アイコン。
✅ カードUI。

こうした要素が統一されていることで、サイト全体にまとまりが生まれます。
逆に、
✅ このセクションだけ雰囲気が違う。
✅ ボタンごとにデザインが違う。
✅ 見出しのサイズがバラバラ。
✅ 写真のトーンが統一されていない。

となると、完成度が下がって見えます。

これは「センス」というより、デザインシステムを考える力に近いものです。

11. 「なぜこのデザインにしたのか」を説明できるか

制作会社がデザイナーを見るうえで、非常に重要なのがこれです。
「なぜこのデザインにしたんですか?」と聞かれたときに、「なんとなくです」「参考サイトを見て良いと思ったので」「最近こういうデザインが流行っているので」では、仕事としては少し不安が残ります。もちろん、すべてのデザイン要素に明確な理論が必要というわけではありません。

しかし、
「ターゲットが20代女性なので、親しみやすさを残しながら少し上品に見えるようにしました」
「商品の価格帯が高いため、装飾を増やすより余白を広く取り、落ち着いた印象を作りました」

など、少なくとも大きなデザイン判断について説明できることは重要です。

デザインを言語化できる人は、修正や提案にも対応しやすいからです。

12. 「参考サイトのコピー」になっていないか

制作会社が作品を見るとき、参考サイトの影響が強すぎるデザインにも注意します。
参考サイトを見ること自体は、悪いことではありません。むしろ、優れたデザインを研究することは非常に重要です。問題は、「参考サイトの雰囲気を再現しただけ」になっていることです。

✅ レイアウトも似ている。
✅ 写真の見せ方も似ている。
✅ 文字の配置も似ている。
✅ 色も似ている。

これでは、参考サイトを作った人のデザイン力しか伝わりません。

大切なのは、「参考サイトの何が良かったのか」を分析して、自分の案件に適した形に再構成することです。

13. デザインの「引き出し」があるか

制作会社では、同じようなデザインしか作れない人より、案件に合わせてデザインを変えられる人のほうが仕事を任せやすい場合があります。

例えば、
✅ 美容系は淡いカラー。
✅ コーポレートは青。
✅ 士業は白と紺。
✅ 飲食店は暖色。

というように、業種ごとに決まったデザインしか作れない状態です。

これは一見、得意分野があるようにも見えます。しかし、クライアントによって求めるデザインは違います。

同じ美容業界でも、
✅ 高級感を出したいサロン。
✅ 親しみやすさを出したいサロン。
✅ 若者向けのサロン。
✅ 地域密着型のサロン。

では、当然デザインが変わります。

「自分の好きなデザインを作れる」だけではなく、「目的に合わせてデザインを変えられる」ことが重要です。

14. 「実装」を考えたデザインになっているか

Webデザインは、画像を作って終わりではありません。
最終的にはHTMLやCSSなどによって実装され、実際のWebブラウザで表示されます。そのため、「このデザインは実際に作れるのか」という視点も重要です。

例えば、
✅ レスポンシブにしたときにどう変化するのか。
✅ テキスト量が増えたらどうなるのか。
✅ ボタンの文言が変わったらどうなるのか。
✅ 画像のサイズが変わったらどうなるのか。

こうしたことを考えず、デザイン画像だけを完成させると、実装段階で問題が出ることがあります。

制作会社がデザイナーを見るとき、実装への理解があるかどうかは大きな判断材料になります。

15. 「修正」に対応できそうか

実務では、最初に作ったデザインがそのまま通るとは限りません。

「もう少し写真を大きくしたい」
「この部分をもっと分かりやすくしたい」
「社内からこの意見が出ました」
「クライアントから別案も見たいと言われました」

こうした修正は普通にあります。

ここで重要なのは、「自分のデザインを守ること」ではありません。
もちろん、デザイン上必要なことを説明することは大切です。しかし、クライアントの目的や要望を理解したうえで、必要な修正ができる柔軟性も必要です。ポートフォリオだけでは修正対応力までは分かりません。だからこそ、面談やコミュニケーションの中で確認されることがあります。

16. 作品数より「どんな作品を載せているか」

ポートフォリオに10作品ある人と、5作品しかない人。
単純に考えれば、10作品あるほうが良さそうに見えます。しかし、必ずしもそうではありません。似たようなデザインばかり10作品並んでいても、デザインの幅は伝わりません。

逆に、
「コーポレートサイト」
「サービスサイト」
「店舗サイト」
「LP」

など、異なる目的の作品があり、それぞれに考え方が見えるなら、少ない作品数でも十分に判断材料になります。

重要なのは「何作品あるか」より、「何ができる人なのか」が伝わることです。

制作会社は「この人と仕事をしたらどうなるか」を見ている

ここまでさまざまなポイントを紹介しましたが、すべてに共通することがあります。
制作会社が見ているのは、「この作品はおしゃれか?」だけではありません。「この人と仕事をしたら、どんな仕事になるのか?」です。

✅ クライアントの目的を理解できるのか。
✅ 情報を整理できるのか。
✅ デザインを考えられるのか。
✅ 修正できるのか。
✅ 実装を理解しているのか。
✅ デザインの意図を説明できるのか。
✅ 案件に合わせて表現を変えられるのか。

こうしたことを、作品から読み取ろうとします。

だからこそ、ポートフォリオでは「完成した画像」だけを見せるのではなく、その作品を通して「自分がどんな仕事ができる人なのか」を伝えることが重要です。

「おしゃれな作品」を作るだけでは、仕事にはつながらない

Webデザインを学んでいると、「もっとおしゃれにしたい」「もっとプロっぽくしたい」と考えがちです。もちろん、デザインのクオリティを上げる努力は必要です。しかし、そこで止まってしまうと、「見た目はいいけれど、実際の仕事を任せるのは少し不安」という評価になる可能性があります。本当に目指したいのは、「おしゃれな作品を作れる人」だけではありません。「目的に合わせて、考えてデザインできる人」です。これは、前の記事で解説した「スクール卒業後も案件が取れない理由」ともつながります。

✅ スクールを卒業したこと。
✅ PhotoshopやIllustratorが使えること。
✅ Webサイトを一つ作ったこと。

これだけでは、仕事を任せてもらう理由としては弱い場合があります。

そこから一歩進んで、「この人なら案件を任せられそう」と思ってもらえる作品を作る必要があります。

Webデザインスクールで学ぶなら「作り方」だけでは足りない

これからWebデザインを学ぶ人、あるいはすでに基礎を学んでいる人がスクールを選ぶ場合、カリキュラムの内容だけでなく、「どんな視点で作品を添削してもらえるのか」も確認しておきたいポイントです。「ここをもっとおしゃれにしましょう」という添削だけでは、次の作品でも同じ問題が起こる可能性があります。

それよりも、
「なぜこのデザインが弱く見えるのか」
「なぜこのターゲットには合わないのか」
「情報の優先順位は適切なのか」
「実際の案件ならどう改善するのか」

まで具体的に指摘してもらえるほうが、別の案件にも応用できます。

Webデザインは、正解のデザインを覚える勉強ではありません。案件ごとに考えて、適切な答えを作る仕事だからです。

WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)が制作会社視点を重視する理由

WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)は、大阪のWeb制作会社として実際のWebサイト制作に携わってきた経験をもとに、Webデザインを教えています。そのため、単純に「きれいなデザインを作れるか」だけで作品を評価するのではありません。

実際の制作で重要になる、
「このデザインにする理由は何か」
「誰に何を伝えるのか」
「情報の優先順位は適切か」
「Webサイト全体として成立しているか」
「スマートフォンでも使いやすいか」
「実装を考えられているか」
「クライアントに説明できるか」

といった視点から作品を見ることを重視しています。

これは、単にデザインの技術を覚えることとは少し違います。
「なぜこのデザインなのか」を考えられるようになること。そして、その考えを実際の制作物に落とし込めるようになること。そこまでできて、初めて「仕事としてのWebデザイン」に近づいていきます。

制作会社に評価されるWebデザイナーは「考え方」が作品に出る

制作会社がWebデザイナーの作品を見るとき、作品そのものだけでなく、その作品から見える「考え方」を見ています。もちろん、デザインのクオリティは必要です。

しかし、
「なぜこのデザインにしたのか」
「誰に向けたものなのか」
「何を目的にしているのか」
「どうすればもっと良くなるのか」

を考えられる人は、案件が変わっても対応できます。
反対に、
「このデザインが好きだから」
「今流行っているから」
「参考サイトがかっこよかったから」

だけで作っていると、案件が変わったときに対応できなくなります。

Webデザインの仕事は、毎回同じ答えを出す仕事ではありません。
クライアントが変われば、目的もターゲットも商品も変わります。だからこそ、制作会社が見ているのは「完成したデザイン」だけではありません。そのデザインを作った人が、「考えて、判断して、形にできる人なのか」ということです。ポートフォリオを作るときも、ぜひ「この作品はおしゃれに見えるか?」だけではなく、「この作品を見た制作会社が、自分に何を任せられると思うだろう?」という視点で見直してみてください。そこから、ポートフォリオの作り方も、Webデザインの学び方も変わってくるはずです。

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