
Webデザイナーとして就職・転職したい。
制作会社から案件を受注したい。
フリーランスとして仕事を増やしたい。
そんなときに必ず必要になるのが「ポートフォリオ」です。しかし、ポートフォリオを作っている人の多くが、ここで大きな勘違いをしています。

「作品をたくさん載せればいい」
「おしゃれなプロフィールを書けばいい」
「PhotoshopやIllustratorなど、使えるソフトを並べればいい」
「制作意図を長く説明すれば、ちゃんと考えていることが伝わる」
残念ながら、それだけでは評価されません。
むしろ、ポートフォリオ添削をしていると、「自分では頑張って作っているのに、採用側・発注側から見ると実力が伝わらない」というケースが非常に多くあります。
ポートフォリオは作品集ではありません。
正確には、「この人に実務を任せても大丈夫なのか」を判断してもらうための営業資料です。ここを理解しているかどうかで、ポートフォリオの作り方は大きく変わります。
今回は、ポートフォリオ添削で特に重要になる「採用担当者が実際に何を見ているのか」を、Web制作の現場目線から解説します。
※第2弾以降は順次公開予定となります。
第1弾:ポートフォリオ添削で採用担当者が見るポイント※本記事
第2弾:ポートフォリオ添削で作品数より重要なこと
第3弾:ポートフォリオ添削で評価を下げるWebデザイン作品の特徴
第4弾:ポートフォリオ添削で「実務経験がない人」が見せるべき作品
第5弾:ポートフォリオ添削で制作意図を書く意味はあるのか
第6弾:ポートフォリオ添削でデザインスキルを正しく伝える方法
- ポートフォリオ添削で最初に見るべきなのは「作品のクオリティ」
- 採用担当者は「作品単体」ではなく「安定して作れるか」を見る
- 「おしゃれ」だけではWebデザインの評価にならない
- 採用担当者は「どこまで自分で考えたのか」を見る
- 制作意図は「長く書けばいい」というものではない
- 担当範囲が曖昧なポートフォリオは評価しにくい
- 制作期間も「速さ」ではなく実務感を見る材料になる
- ポートフォリオサイトそのものが「作品」である
- ポートフォリオ添削では「減点ポイント」も徹底的に見る
- 採用担当者が「この人に仕事を任せたい」と思うポートフォリオとは
- 「自分が見せたい情報」と「採用担当者が知りたい情報」は違う
- ポートフォリオ添削で「作品を増やしてください」だけでは不十分
- ポートフォリオ添削は「作品を褒めてもらう時間」ではない
- 誰にポートフォリオ添削を依頼するかで、成長速度は変わる
- WebデザインスクールAppRizzが考える「評価されるポートフォリオ」
- まとめ|ポートフォリオは「自分を説明するもの」ではなく「実力を証明するもの」
ポートフォリオ添削で最初に見るべきなのは「作品のクオリティ」
まず、一番重要なことから言います。
ポートフォリオは、結局「作品」が弱ければ厳しいです。
プロフィールが素晴らしくても、制作意図を丁寧に書いていても、自己紹介に熱い想いを綴っていても、肝心のデザインが弱ければ評価は上がりません。これは当たり前の話です。
料理人を採用するときに、履歴書に「料理が大好きです」「お客様を笑顔にしたいです」と1,000文字書いてあっても、出てきた料理がまずければ採用したいとは思わないでしょう。
「デザインが好きです」
「ユーザー目線を大切にしています」
「クライアントに寄り添います」
「一つひとつ丁寧に制作します」
こうした言葉は、悪いわけではありません。
ただし、言葉ではデザインスキルの証明にはなりません。
採用担当者が最初に確認するのは、「実際にどんなデザインを作れるのか」です。だからポートフォリオ添削では、まず作品そのものを見ます。
✅ 文字組みは成立しているか。
✅ ジャンプ率は適切か。
✅ 写真の選定は適切か。
✅ 配色に意図があるか。
✅ 情報の優先順位が整理されているか。
✅ レイアウトに単調さがないか。
✅ 装飾が必要なところに適切に使われているか。
そして何より、全体として「プロが作ったもの」に見えるか。
ここが最初の関門です。
採用担当者は「作品単体」ではなく「安定して作れるか」を見る
ポートフォリオ添削で意外と見落とされるのが、「1作品だけ良くても意味がない」という点です。
例えば、10作品掲載されていて、1作品目はかなり良い。2作品目はまあまあ。3作品目は普通。4作品目から急に素人っぽい。このようなポートフォリオだったら、採用側はどう思うでしょうか。
「この人は1回だけ上手く作れたのかもしれない」と考える可能性があります。
実務では、毎回違う案件を担当します。美容系サイトだけを作るわけではありません。
✅ 採用サイト
✅ 飲食店
✅ EC
✅ サービスサイト
✅ LP
✅ キャンペーンページ
など、案件によってターゲットも目的も表現方法も変わります。
そのため、採用担当者が見たいのは「最高傑作」だけではありません。
一定以上の品質を安定して出せるかどうかです。
だからポートフォリオ添削では、1作品だけを見て判断するのではなく、掲載されている作品全体を確認する必要があります。
作品ごとにクオリティに大きな差があるなら、それ自体が課題です。
「おしゃれ」だけではWebデザインの評価にならない
ここも非常に重要です。
Webデザイン初心者ほど「おしゃれなサイトを作ること」をゴールにしてしまいます。
しかし、採用担当者が見ているのは「おしゃれかどうか」だけではありません。Webデザインはアート作品ではないからです。
例えば、写真もフォントもきれいで、色もおしゃれ。一見すると洗練されている。ところが、何を伝えたいページなのか分からない。

✅ ボタンが目立たない。
✅ 情報の優先順位がない。
✅ 見出しと本文の差が小さい。
✅ ユーザーが次に何をすればいいのか分からない。
これでは、Webサイトとしてのデザイン力が高いとは言えません。
Webデザインでは、「見た目の美しさ」と「情報を伝える機能」の両方が必要です。
つまり、きれいに作れることと伝わるように作れることは別物です。そして実務では、この2つを同時に成立させる必要があります。ポートフォリオ添削では、単純に「おしゃれですね」と評価するのではなく、「なぜこのデザインなのか」「情報がどう整理されているのか」まで確認する必要があります。
採用担当者は「どこまで自分で考えたのか」を見る
作品を見るとき、もう一つ重要なのが「自分で考えて制作しているか」です。
例えば、「20代女性向けの美容サロンサイトです」と書かれていても、それだけでは何も分かりません。
✅ そのターゲットは何を求めているのか。
✅ 競合と比べたときの特徴は何なのか。
✅ なぜこの色なのか。
✅ なぜこの写真なのか。
✅ なぜこのレイアウトなのか。
✅ なぜこのフォントなのか。
そうした判断の積み重ねがデザインになります。
逆に、テンプレートを少し変更しただけだったり、参考サイトをそのまま真似しただけだったりすると、作品を詳しく見れば分かります。特に制作会社では、デザインの「結果」だけではなく、その結果に至る考え方も見られます。実務では、クライアントから「もう少し高級感を出したい」「女性向けにしたい」「競合より目立たせたい」など、曖昧な要望が飛んできます。その曖昧な要望をデザインに落とし込む力が必要だからです。
制作意図は「長く書けばいい」というものではない
ポートフォリオ添削では、「制作意図を書きましょう」とよく言われます。
これは間違いではありません。ただし、ここでも勘違いしている人が多い。制作意図とは、長文のポエムを書くことではありません。
「シンプルで見やすいデザインを目指しました」
「ターゲットに合わせて制作しました」
これだけでは、ほとんど評価材料になりません。
重要なのは、具体的なデザイン判断が説明できることです。
例えば、
「30代女性をターゲットに設定し、安心感と上質感を両立させるため、彩度を抑えたカラーをベースにしました。また、価格訴求よりもブランドイメージを優先するため、ファーストビューでは情報量を絞り、写真とキャッチコピーの視認性を高めています。」
このように書かれていれば、少なくとも「何となく作った」のではなく、一定の設計意図があることが分かります。制作意図は文章量ではなく、デザインとのつながりが重要です。
担当範囲が曖昧なポートフォリオは評価しにくい
採用担当者や制作会社が困るポートフォリオの代表例が、「何を自分でやったのか分からない」ものです。
「Webサイト制作」「ホームページ制作」「企業サイトを制作しました」これだけでは判断できません。
✅ HTML/CSSまで担当したのか。
✅ ディレクションもしたのか。
✅ 原稿は誰が作ったのか。
✅ 写真は支給されたのか。
✅ 素材選定まで担当したのか。
実務では、担当範囲が非常に重要です。
例えば「サイト制作実績」と書いてあっても、実際にはスクールの課題で、デザインだけ作ったものかもしれません。逆に、実際のクライアント案件で、企画からデザイン、コーディングまで担当したのであれば、それは非常に強い実績になります。だからこそ、ポートフォリオでは事実を明確にする必要があります。
制作期間も「速さ」ではなく実務感を見る材料になる
制作期間も、意外と見られるポイントです。
もちろん「3日で作ったから偉い」「1か月かかったからダメ」という話ではありません。重要なのは、制作期間と成果物のバランスです。
バナー1枚に20時間かかっているのに、文字組みやレイアウトが崩れている。それなら、単純に「まだ制作スキルが足りない」と判断される可能性があります。
逆に、
短期間で高い品質のものを安定して制作できるなら、実務適性が高いと判断されやすくなります。
実務では、時間もコストです。
クライアントから依頼された仕事を、無制限に時間をかけて制作することはできません。そのため、ポートフォリオ添削では「完成品が良いか」だけでなく、「その品質をどの程度の時間で作ったのか」まで見ることで、より実務的な評価ができます。
ポートフォリオサイトそのものが「作品」である
非常に重要なのがここです。
Webデザイナーのポートフォリオサイト自体が、あなたの作品です。
✅ スマートフォンで崩れる。
✅ 文字が小さすぎる。
✅ 画像が荒い。
✅ リンクが切れている。
✅ 余白が不自然。
✅ ページ構成が分かりにくい。
✅ 読み込みが遅い。
✅ 問い合わせ方法が分からない。
こんな状態では、掲載作品が良くても大きくマイナスになります。
特に制作会社の採用では、「自分のポートフォリオすらきちんと作れないのに、クライアントのサイトを任せられるのか」という疑問につながります。これは厳しいようですが、当然の評価です。自分自身の営業ツールをきちんと設計できない人に、クライアントの営業ツールを任せるのはリスクがあります。
ポートフォリオ添削では「減点ポイント」も徹底的に見る
ポートフォリオ添削というと、「ここをこうすると良くなります」という改善提案ばかりを想像する人もいるでしょう。しかし、実務では「加点」より「大きな減点を防ぐ」ことも重要です。
✅ 誤字が大量にある。
✅ 作品画像が低解像度。
✅ スマートフォン表示が崩れている。
✅ リンクが動かない。
✅ 使用素材の権利関係が不明。
✅ 担当範囲が曖昧。
✅ 制作期間が現実離れしている。
このような問題があれば、採用担当者は「細かいところまで確認できない人なのでは」と考えます。
Web制作は細部の積み重ねです。
「大枠が良ければ細かいところは気にしない」という考え方では、実務でミスにつながります。だからこそ、ポートフォリオ添削では作品の華やかさだけではなく、細部まで確認する必要があります。
採用担当者が「この人に仕事を任せたい」と思うポートフォリオとは
ここまで読んで、「結局、何を目指せばいいのか」と思った人もいるでしょう。
答えはシンプルです。
「この人なら実際の案件を任せられそう」と感じてもらえるポートフォリオです。
そのためには、単に作品を並べるだけでは足りません。
さらに、ポートフォリオサイトそのものにもデザイン・Web制作の基本が反映されている。
ここまで揃って、初めて「仕事を任せられる人」という評価につながります。
「自分が見せたい情報」と「採用担当者が知りたい情報」は違う
ポートフォリオを作るとき、多くの人が「自分をアピールしよう」と考えます。
しかし、ここにも落とし穴があります。
✅ 自分の好きなデザイン。✅ 自分の生い立ち。✅ デザインを始めたきっかけ。✅ 熱い想い。✅ 将来の夢。
もちろん、人柄を伝えることに意味がないわけではありません。
しかし、それらが作品より前に大量に並んでいるポートフォリオは、目的がズレています。

採用担当者が知りたいのは、
「この人は何ができるのか」
「どの程度の品質で作れるのか」
「実務を任せられるのか」
「こちらの案件に対応できるのか」
です。
つまり、ポートフォリオは「自分語りの場所」ではありません。
相手が仕事を依頼するために必要な情報を判断しやすく整理する場所です。ここを理解すると、ポートフォリオの構成も自然と変わってきます。
ポートフォリオ添削で「作品を増やしてください」だけでは不十分
ポートフォリオ添削でありがちなアドバイスが、「もっと作品を増やしましょう」です。
もちろん作品数が少なすぎるのは問題です。しかし、ただ増やせばいいわけではありません。品質の低い作品を10個増やしても、ポートフォリオ全体の評価が上がるとは限りません。むしろ、低品質な作品が増えることで、「この人はこの程度のデザインしか作れない」という印象を強めてしまう可能性があります。重要なのは、数ではなく「何を見せるか」です。
✅ 企業サイト
✅ サービスサイト
✅ バナー
✅ LP
✅ 採用サイト
など、異なる目的のデザインを見せることで対応力を伝えることができます。
また、似たような作品ばかりを並べるのではなく、自分の得意分野と対応可能な領域が分かるように設計することも重要です。
ポートフォリオ添削は「作品を褒めてもらう時間」ではない
ここは、かなり厳しく言います。
ポートフォリオ添削を受けるなら、「いいですね」「素敵ですね」と褒めてもらうことを目的にしてはいけません。それでは成長しません。
「ここが弱い」
「この余白は不自然」
「このフォント選定ではターゲットに合っていない」
「このレイアウトでは情報の優先順位が伝わらない」
「この作品はポートフォリオに載せない方がいい」
「このレベルでは実案件では厳しい」
といった、耳の痛い指摘です。
デザインは、自分では気づけない部分が非常に多い分野です。
自分では「いい感じ」と思っているデザインでも、第三者から見ると、余白、文字組み、色、写真、レイアウトなどに大量の問題があることがあります。だからこそ、ポートフォリオ添削では「気分が良くなるアドバイス」ではなく、「実力を上げるためのアドバイス」を受けることが重要です。
誰にポートフォリオ添削を依頼するかで、成長速度は変わる
そして最後に、非常に重要な話です。
ポートフォリオ添削を依頼するなら、誰に見てもらうかを慎重に選んでください。
「デザイン添削します」
「ポートフォリオを改善します」
「●●歴●●年」
「指導人数●●●●人」
こう書いてある人が、本当にあなたの目指すレベルのデザインを作れるとは限りません。
肩書きではなく、実際の制作物を見るべきです。
そして、できれば1作品だけではなく複数の制作実績を確認してください。あなたが「このレベルのデザインを作れるようになりたい」と思える実績を持っている人なのか。ここが非常に重要です。
なぜなら、添削する人のデザインレベル以上に、あなたのデザインレベルを引き上げることは基本的に難しいからです。もちろん知識を教えることはできます。しかし、実際にどの程度のクオリティを基準にしているのかは、その人が作ってきたものに表れます。
また今なら、AIに聞いても何らかの回答は出してくれるので、AIの回答をそのまま伝えてるメンターや講師もいます。これなら自分でAIに聞いてるのと同じですよね。
WebデザインスクールAppRizzが考える「評価されるポートフォリオ」
WebデザインスクールAppRizz(アップリズ)では、ポートフォリオを単なる「作品を並べる場所」とは考えていません。ポートフォリオは、自分のデザイン力を企業やクライアントに判断してもらうための重要な営業ツールです。だからこそ、見た目だけではなく、実際に仕事を任せられるレベルなのかという視点で確認する必要があります。
「一応サイトを作りました」
「Photoshopが使えます」
「Illustratorが使えます」
というレベルから先に進むには、第三者から具体的な指摘を受けることが非常に重要です。
特に、自分では気づけないデザイン上の癖や、ポートフォリオ全体の弱点は、自分一人で判断するのが難しい部分です。だからこそ、ポートフォリオ添削を受けるのであれば、単に優しい人を選ぶのではなく、自分が目指している以上のクオリティを実際に作っている人に見てもらうことをおすすめします。
まとめ|ポートフォリオは「自分を説明するもの」ではなく「実力を証明するもの」
ポートフォリオで最も重要なのは、文章の上手さでも、自己紹介の長さでも、作品数でもありません。
最終的に見られるのは、「この人は実際にどの程度の仕事ができるのか」です。
✅ デザインの一貫性。
✅ 情報設計。
✅ 制作意図。
✅ 担当範囲。
✅ 実務経験。
✅ 対応できる領域。
そして
✅ ポートフォリオサイトそのものの完成度。
これらを総合して、「仕事を任せられる人なのか」が判断されます。
だから、ポートフォリオ添削をするときも「作品を増やしましょう」「プロフィールを充実させましょう」といった表面的なアドバイスだけでは不十分です。本当に必要なのは、採用担当者やクライアントの目線に立って、「このポートフォリオを見て、本当に仕事を頼みたいと思うか」を判断することです。
もし今のポートフォリオを見て、「自分では悪くないと思うけど、なぜか案件につながらない」「応募してもなかなか通らない」と感じているのであれば、作品そのものだけではなく、ポートフォリオ全体の見せ方を一度疑ってみてください。「自分が頑張ったものを見せる」のではなく、「相手が仕事を任せる判断をするために必要なものを見せる」この視点に変えるだけでも、ポートフォリオの質は大きく変わります。そして、ポートフォリオを本気で改善したいのであれば、最も重要なのは「誰に添削してもらうか」です。ただ褒めてくれる人ではなく、弱点を具体的に指摘し、実際の制作現場で求められる基準まで引き上げてくれる人を選ぶ。それが、ポートフォリオを「ただの作品集」から「仕事につながる営業ツール」へ変えるための第一歩です。



